一陽来復
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2008年5月のブログ

2008/05/31(土) 傾蓋知己 (けいがいちき)

少し前のことだが、名古屋であるアメリカ人と知り合うことができた。
彼はメキシコの血をひく大柄な男だった。
共通の趣味が縁だったが、あまり多くはいないだろうと思われた中での
同好の士だった。
たどたどしい英語での会話では、すべてを理解は出来なかったかもしれないが、
それでも同じ趣味を持つ者同士の間では不自由なことはなかった。

そんな関係が2年続いたあと、彼が勤務していた英会話学校が閉鎖になり、
彼は失職、アメリカへ帰ることになった。
ロスアンゼルスの彼のアドレスを紛失したのは一生の不覚だ。

2008/05/29(木) 慈母敗子(じぼはいし)

東大の入学式は日本武道館で行われるのだが、
例年新入生より、付き添いの親の方が多いという
現象が起きている。
今年も3200人の新入生に対し出席希望の親が
5000人を超したという。
そのため、大学は入学式への出席を新入生1人あたり
2人までに制限したということだ。

まあ大学でよかったよ。
入社式にまで親が出てくるようにならなければいいけどね。

2008/05/27(火) 黙契秘旨(もっけいひし)

友人に女性と20年付き合っているという男がいる。
友人もその女性も結婚している。
だからといって不倫ではないと言う。
食事をしたり、お酒を飲みには行くが、それだけの関係だそうだ。
言ってみれば「友達以上恋人未満」なのだと付け加えた。
では、そうならないことを話し合ったのかと問えば、
そういったことで話し合ったことはなく、なんとなく過ごしてきた。
そんな返事だった。

二人がそれでよければ、傍から口を出すことではないが、
そんなものかと思ってしまう。

2008/05/23(金) 剛毅木訥(ごうきぼくとつ)

以前勤めていた会社の上司は、江田島の海軍兵学校在学中に
終戦を迎え入社した人だった。
就職試験でこの人が面接をしたのが縁で
入社後もよく声をかけていただいた。
物静かで頭がよく、幹部にも毅然とした態度は
我々部下の者から見ても好感が持てました。

   男に惚れる

まさにこんな言葉がぴったりの人でした。
いずれは社長になるだろうというのが、社内の噂だった。
彼が発案した新規プロジェクトに抜擢をされたのが、
とてもうれしかった思い出だ。
入社して間もない3年目だったから、張り切るのは当然です。
そのプロジェクトも、3年で当初の目的を果たし、
配置転換になったのですが、まもなく彼は心筋梗塞が原因で他界された。
40代半ばだった。
もう少し彼の下で働きたかったね。

2008/05/22(木) 巧言令色(こうげんれいしょく)

かつて、商人といえば揉み手をして、客に媚へつらうのが常道だった。
客の方も「お客様は神様」然としていた。
しかし、近年はそんな手練手管は通用しない。
商人と客は対等な売買契約という間柄が浸透してきたからである。
が、しかし、買ってもらう側にしてみれば、
やはり客には礼節をもって対応しなくてはいけない。
若者相手の商売なら、ため口での応対もあるかもしれないが、
ある程度の年齢を重ねてきた者には許されない。
商売の基本は客に対しての誠意である。
それをわきまえてさえいれば商人として全うできる。